サービス残業が当たり前になっていて帰りづらい。でも定時に帰ったら職場の雰囲気を壊すだろうし。。。
この記事を書いている筆者も、そんな企業で働いている一人だったので、その気持ちはすごくわかります。”暗黙の了解” とでも言うのでしょうか?
定時なのに、なぜか帰りづらいあの雰囲気と言ったら溜まったものではありません。
そしてこれだけ、働き方改革が叫ばれている昨今、まだまだ当たり前のように上司や社員が沈黙の元、サービス残業ばかりで成り立っているようなブラック企業が跡をたちません。
「それが当たり前だ!」「ある程度はしょうがない!」なんて自分自身で理解している上で働いている人はいいですが、少しでも「改善したい」「おかしい」なんて感じられる人であれば今すぐ打開策を見つけるべきです。
今日は、なぜこんなにもサービス残業がなくならないのかを見ていきましょう。
この記事の目次
サービス残業の定義
サービス残業とはいわゆる造語で、決められた就労時間を超えた労働に対しての賃金が支払われないことを言います。「サビ残」、「賃金不払い残業」とも呼ばれています。
就労時間外の労働に対しては、みなさんもご存知の”労働基準法”という法律によって雇用主から労働者に相応の賃金を支払うことが定められています。
仮に、支払いがなされない場合は違法行為となり、懲役刑もしくは罰金刑の刑事罰が科せられます。
【参考までに1週間で決められている残業の限度時間】
データー引用記事:【10時間労働が毎日続く企業は違法性あり!】解決法と労働基準法を徹底分析
しかし、現実は雇用者が労働者に対して暗黙の了解的にサービス残業を強制したり、あえて「このぐらいで根をあげていては、うちでは勤まらないな。」などと言葉に出したりと、立場を悪用している実態が浮き彫りにされています。
サービス残業の悪質化により、長時間労働が積み重なって健康被害をこうむったり精神疾患に陥ったりして、過労死や過労自殺にまで至ることが社会問題になっています。
サービス残業が注目を浴びた経緯と事件
2020年現在、サービス残業がいけないこと、ブラック企業と認識することは容易ですが、以前までは高度経済成長期からの流れからか「サービス残業なんて当たり前」「よくあること」なんて認識をされていたのも事実としてあります。
居酒屋チェーン「ワタミ」のサービス残業時間があまりにもひどく、平成20年に新入社員だったMさん(女性・当時26歳)が過労自殺したことは世間で話題になりました。
その影響もあり、“ブラック企業” という言葉が流行語になるほど平成20年代以降、過酷な労働は問題視され多くの企業で見直しが行われました。
しかし、ベンチャー企業やメディア関連、不動産、外食産業など、まだまだサービス残業が当たり前という会社も多く存在しているのが事実です。
労働時間の定義では、サービス残業は1分でも許されない!
1947年(昭和22年)に、日本国憲法により「労働基準法」が制定されています。これは、労働条件に関する最低基準を定めたもので賃金や就業時間、休息といった勤労条件に関する基準を定めた法律です。
労働時間に関しては、労働基準法 第32条において以下のように具体的に定められています。
1.使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない
2.使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
他にも、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけないことや、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければいけないこと、などが明記されています。
サービス残業の賃金未払いだけではなく、雇用者(使用者)が労働時間などについて違反すれば法律で罰せられるのです。
サービス残業が減らない理由
雇用する側は労働者がいなければ成り立たないはずなのですが、資本主義経済の中で企業として成長していくうちに、労働者に対する認識が薄れてしまったのかもしれません。
サービス残業は違法なのに、一向に減らない理由はいったいどんなところにあるのでしょうか。
人件費の削減による利益を追求しすぎている
バブル崩壊やリーマンショックといった不景気をきっかけに、人員の削減を図った企業は多くあります。
利益を追求する企業にとって、経費を圧迫する人件費を削ることは当たり前の感覚になってしまったようです。そのため、ひとりひとりの業務負担が大きくなり、結果としてサービス残業しなければ仕事自体が終わらないという構図ができあがっています。
高度経済成長期の悪しき習慣の名残り
1954年(昭和29年)から1973年(昭和48年)の19年間を高度経済成長期と呼び、日本の実質経済成長が10%にまで届くほど成長著しかった時期を指します。
この頃の日本では、いわゆる「三種の神器」と呼ばれる、電気洗濯機や電気冷蔵庫、白黒テレビといった家電製品が続々生産され始めました。サラリーマンの所得も年々増えたため人々は物の豊かさを追求し、会社でバリバリ働くことに喜びを感じていた時代です。
たとえ残業代が支払われなくても自分の責任の元、残業を何時間してでも仕事が終わるまでは家に帰らないのが一種の美徳とさえ思われていたのです。
実は、この悪しき習慣がいまだに日本企業には根強く残っていて、サービス残業が根付いているとも言えるます。
雇用者と労働者の知識不足
労働基準法に対する雇用者と労働者の両者の知識や認識不足も、サービス残業がなくならない理由です。
経営者の労働基準法に対する知識が不足していたり、知ってはいてもその重要性を認識していないために、このぐらいは良いだろうと勝手な判断をしてしまうこともしばしばあります。
2016年には企業を監督する立場の労働局が、ハローワークの正規職員の内部通報により非常勤職員に対する残業代未払いの事実が発覚した、という失態を侵してしまった事例もあります。
日本人の国民性
また、「みんながサービス残業をしているのに、自分だけ帰れない」という、職場の雰囲気を優先してしまう国民性もサービス残業が減らない理由です。
サービス残業が当たり前な企業の社員がやるべきこと
いかなる状況でも、サービス残業を許したり黙認して良い理由はどこにもありません。過労により自分が退職するケースになっても泣き寝入りする必要はないのです。
サービス残業代を取り戻すために証拠を揃える
サービス残業代は請求日から遡って2年間分を取り戻すこともできます。
管轄の労働基準監督署、もしくは厚生労働省に相談するのが一般的ですが、ただの相談ベースでは取り合ってもらうことができません。労働基準法違反の証拠となりゆるものが、はっきりとない限り動くにも動けないからです。
そのため、残業の記録を手帳に残しておき、給与明細と共に保存したりタイムカードのコピーを取っておき、違法だとして企業側に突っ込む場合や訴訟する際の証拠を日頃から揃えておくようにしましょう。
ホワイト企業へ行くことを検討する
しかし、会社にいながら会社のことを訴える、ようなことはしたくない。今後の関係性が悪くなるから会社にいづらい。なんて考える人ももちろんいます。
そんな人は思い切って転職してしまうのも、自分の身を守るための1つの手段です。退職の決意を固めてからでも、会社相手に残業代の請求もできますしね!
他の企業の求人情報に数多く触れることで、いかに自分の会社が理不尽な労働環境だったのかと気付かせてくれることだってあるでしょう。
サービス残業が当たり前の企業を脱した筆者の例
ここからは筆者の話しになってしまいますが、冒頭でも述べたように、まぎれもないこの記事を書いている張本人がサービス残業が当たり前の会社で働いていた1人でした。※詳しくは以下の記事参照
そもそも社員も少ない企業かつベンチャーだったので、残業という概念がないような環境でした。ある意味怖いですね笑
ただ、そんな環境に居続けるとまずは身体に変化が起こり、ついには死を考えるほど精神的にも落ちてしまったので、取引があった企業の助言で “リクルートエージェント”に相談した” というのが、大きな転機でした。
紹介した筆者のプロフィール記事で詳しく書いているのでここでは割愛いたしましたが、一旦相談ベースでもいいので、他の環境のことを知っている人。
ここでいうのは、ある一定の環境の属しているような友人等ではなく、キャリアコンサルタントのように、たくさんの企業のことを知っている人に相談して普通の感覚をまずは取り戻す。というのが大切に感じます。
僕の場合、それが年収150万UPの転職をサポートしてくれたリクルートのコンサルタントさんです。
年収UPの方に目がいってしまう方も多いと思いますが、「残業なんて概念が存在しない」という僕の偏りを、まずは正常に戻してくれたことが僕の中では非常に大きいです。
この記事をご覧の方も、「いきなり転職しよう!」とはならないと思いますが、感覚を正常に戻す意味で、まずは相談をしてみることから初めてみてはいかがでしょうか?
僕自身が実際にこれは身を持って体験し、現在は身体も精神も復活して働けるところまできたので全力でおすすめさせていただきます。
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