- 1.過労死ラインとは健康障害と業務の関連制を判断するために設けられたもの
- 2.残業80時間が毎月続く場合、単月でも残業が100時間を超えると過労死ラインとなる
- 3.残念ながら、単月の場合のみの100時間労働は法的に違反にはならない
- 4.月100時間も残業できる人なら、転職先も豊富にあるから今すぐにでもするべき!
過労死ラインってそもそもなに?
過労死ラインという言葉をしっかりと理解してる人は少ないのではないでしょうか?不景気も手伝ってか、残業残業の毎日で命を絶つ選択をしてしまうことが珍しくないくらい、毎日のように悔やんでも悔やみきれない出来事が続いています。
ニュースに大きく取り上げられるのは、公務員、大企業の社員が亡くなった場合が多く、中小企業まで見てみるとその数は計り知れません。
このような現状から、健康障害リスクが高まるとされる労働時間、あるいは残業時間の判断基準に対して厚生労働省が言及しているのはご存知でしょうか?
昨今では「会社がうまくいってないからしょうがない」「みんな同じだ」「ふつうのこと」なんて、目の前のことに追われ、このようなことを知る機会すら奪われてしまってるのが残念で仕方ありません。
厚生労働省が公開している脳・心臓疾患の労災認定という資料の「過重負荷の有無の判断に関して」という項目の、労働時間の評価の目安にはこんな記載があるのでご紹介しましょう。
③発症前1ヶ月間に概ね100時間または発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること。
あくまで脳・心臓疾患に関しての資料なので、全てのケースで過労死ラインとして認めらるとは、言い切れませんが、基準としてしっかり言及されていることはご理解していただけたと思います。
そもそも法律違反じゃないの?
毎日12時間勤務は労基法違反?という記事でも詳しく書いておりますが毎月100時間の残業は立派な違法である可能性が高いです。
【36協定時間外労働の限度に関する基準】
延長時間の限度(一般労働者の場合)
期間 | 限度時間 |
---|---|
1週間 | 15時間 |
2週間 | 27時間 |
4週間 | 43時間 |
1ヶ月 | 45時間 |
2ヶ月 | 81時間 |
3ヶ月 | 120時間 |
1年間 | 360時間 |
月100時間働いている時点で上図の、2ヶ月までの限度に達しています。ただ、どの企業にも繁忙期があることが考慮されてのことなので、2ヶ月までは限度であっても、3ヶ月と、1年の限度は超えてなかったら一概に法律違反とも言えないのが現状です。
事実、2017年の3月13日に安倍晋三首相は経団連と会談をし、「残業の上限を100時間未満」ということを決定しています。
なので、今月残業が100時間したとしても、残りの2ヶ月で20時間以内に済ませればいいし、残りの11ヶ月で260時間(1ヶ月約23時間)の残業をしなければ、法的には違反ではないのです。
残業100時間ってどんな生活?
- 就業時間9:00〜18:00 休憩12:00〜13:00
- 週休2日制(土日)
- 通勤時間は片道1時間(往復2時間)
- 30日まである月、そのうち土日が8回の出勤日数22日
と、一般的な就業時間と、通勤時間を条件にし、シュミレーションしていきましょう。
- 6:30 起床→朝食・身支度
- 7:30 家を出る
- 8:30 会社に到着
- 9:00 午前の業務開始
- 12:00 昼休憩
- 13:00 午後の業務開始
- 18:00 定時(残業開始)
- 22:30 退社
- 23:30 家に着く→夕食→お風呂→自由時間
- 1:00 就寝
多く見積もって睡眠時間は5時間半ほど、1日の自由時間はほぼありません。
会社への到着を業務開始時刻の30分前にしておりますが、業務開始前に朝礼を行う企業も多く、実際にはここが8時の場合も考えられます。
家に着いてからも夕食、お風呂の他は自由時間としましたが、これ以外にも洗濯をしたり(朝の場合)、ご飯を作る手間とかもあると考えると自ずと就寝時間も遅くなるので、実際は睡眠時間が4時間台の人も多いのではないでしょうか?
- これでも土日休めればいい
- 残業代がつくだけいい
- 今の若い人はこのくらいで音を上げすぎだ
- 若いうちはしょうがない
など、どう見ても過酷に限らず、以上のような意見が多いため、まだまだ当たり前のように以上のような労働環境の会社があとを経たないのでしょう。
残業100時間を経験した人の声
業務はほぼ終わってたのですが、先輩の目が気になって帰れず結果100時間残業になっていたように思います。
ま、そのぶん帰る時間は遅くなるから睡眠時間は減るし、食事もろくにとらないし、100時間残業している割に忙しい気をしなかったですが、体調は崩しますよね。
休むのもいけないみたいな雰囲気があったので、体調崩しながら会社行って毎日のように残業していたら、ある日倒れていました。冗談抜きで気づいたらベッドの上でしたね。
残業100時間してたんですけど、残業ではなくサービス残業でしたね。残業代って25%増しって考えて、それを100時間分って考えると普段の基本給×1.8くらいもらってないと計算的に合わないんですよ。
毎日の残業手当が2000円くらいしかもらえてなかったので、基本給+4万くらいでしたね。残業100時間しても。「今月4万増し!やったー」なんて思ってた若き自分が今となっては馬鹿らしいです。4万の誤差なら、業界選べば基本給で補えますしね。
妻に愛想つかれて離婚しました。家族のためにやってるつもりでしたが、毎日家族が寝てる時間に出て、寝てる時間に帰ってくる生活を繰り返してるうちに色々すれ違ってましたね。
というか、忙しすぎてすれ違ってたことすらきづかなったです。
サバイバルでもなんでもないのに、1人、また1人と同僚が消えていく感じは怖かったですね。
本当に音信不通になるんですよみんな。そういう環境にいると、明日には自分も、、、なんて考えると本当に怖かったです。転職した今でこそ笑いのネタですが、みんな病院行ってたと聞いて本当にサバイバルだったんだなーと改めて認識しましたね。
ただ、若いうちに経験したおかげで、今の仕事で理不尽なことがあって乗り越えられるので、自分的には最初に勤めた会社がブラックでよかったと思ってます。
僕は営業成績が悪かったんで、付き合いやらに必死で、月100時間の残業なんて裕に超えてたと思います。ただ、営業ってそのへんの判断が難しいんですよね。
残業時間って認められないことがほとんどで、、、。はたから見ればお得意さんと飲んでるだけですからね。
僕としては完全な仕事だったので、経費が認めらたのは嬉しかったですけど、残業代は認めて欲しかったですよね。というか、経費で落とせる時点で、仕事として認めてくれてるので矛盾しているんですけどね。
営業あるあるではないでしょうか。
辞めても転職先はあるから大丈夫!
仕事が辞められない人の1つの特徴として、「次の職が決まらなかったどうしよう、、、」なんて思い込みがあげられますが、月に100時間も働ける人でしたら、間違いなく転職先は見つかることでしょう。
仕事をやめる=逃げる なんて思い込みもあるでしょうが、先ほど説明したように、法律にも触れてくるほどの仕事量を求めてくる会社を退社した場合、会社をやめた理由がはっきりしますし採用担当者にも認めてもらえることも多いでしょう。
今は仕事に忙しくて転職活動はできない!辞めてから!なんて考えている人でも、転職エージェントを使えば、働きながらの転職活動も問題なくできるので心配しないでください。
エージェントには「代行」という意味があるように、求人の紹介、履歴書の添削、面接の手配、年収交渉など、自分が足を動かさなくても、代行してくれることも多いのでオススメです。※もちろん、全てが受け身では転職エージェントも動いてくれません。
自分はもちろん、近くにいる人のことも考えて、1度転職を考えるのはいかがでしょうか?いつまでも100時間も残業をしていたら、どこかにガタはくるでしょうから、、、
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