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サイレントお祈りってどんなもの?
サイレントお祈りとは、応募した企業から”不採用通知”が来ないことを意味します。不採用通知の文面に「今回は採用を見合わせていただきました。〇○様の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。」と記されていることから”お祈り”という単語と、寡黙を意味する”サイレント”が合わさったものです。
転職活動において企業から連絡がなければ、自分はいったい採用なのか不採用なのかがわかりません。一刻も早く転職したい応募者にとって、企業からサイレントお祈りをされるのはとても迷惑な話なのです。
企業はいったいなぜ応募者にとって何のメリットもないサイレントお祈りをするのでしょうか?その理由をじっくり見ていきましょう。また、もし自分がサイレントお祈りに遭遇してしまったらどうすれば良いのかもお伝えします。
サイレントお祈りが急増…その理由とは?
実は、日本の企業だけでなく海外でもサイレントお祈りが横行しています。2012年に調査した結果、求職者の実に75%がサイレントお祈りを経験していることがわかりました。
日本でも転職者だけでなく新卒者に対しても、サイレントお祈りが急増しているのです。せっかく応募してきた人に対して、なぜ無視したような行動をするのか、人材を募集している企業側に隠されている理由を見てみましょう。
補欠合格の保留
サイレントお祈りが行われる理由で最も可能性が高いのは、「補欠合格の保留期間」です。完璧に不採用と決まっているわけではなく、合格者が辞退した時の為の補欠者に該当している可能性があります。
つまり、企業側は合格者が内定を辞退することを想定して、ある程度の人数を補欠合格者として保留しているのです。
この場合は、自分が採用・不採用のボーダーライン上に乗っていると想定できますが、あくまでも何の連絡もないので想定するしかできず、身動きの取りようがありません。
「不採用通知を書類やメールで送付する」と企業側が提示しているのであれば、期限からさらに3営業日ほど待ってみてから採用・不採用を判断するのが良いでしょう。
多忙の為に手が回っていない
2月~3月、8月~9月は多くの転職希望者が動く時期です。他の時期よりも採用担当者の業務負担が一気に大きくなっている時期でもあり、サイレントお祈りが起きやすくなります。
また、他の時期であっても人気の職種や企業によっては多くの転職希望者が殺到しますので、多忙が理由で何の連絡もないことが考えられます。
しかし、企業側はコスト面を重視しているため、採用担当者をそれに合わせて増やすことはあまりないのが現状です。それでも採用担当者は多くの応募者から採用者を決定し内定通知書やメールを送付するといった業務をこなさなければなりません。
多忙のあまり採用者を重視して業務を進めていくことが多いので、どうしても不採用者への連絡は後回しになりがちなのです。不採用メールですら送る時間もままならない、不採用通知の書面であれば尚更手間がかかるため、結果としてサイレントお祈りが生じる場合があります。
採用担当者が忙しすぎて不採用の連絡を忘れてしまっていることも考えられますが、企業によっては意図的に不採用者に時間を割きたくないと考えて、あえて連絡そのものをしないこともあるようです。
しかし、意図的にサイレントお祈りをするような企業であれば、「かえって不採用になって良かった」と前向きに捉えることもできます。
“人材は企業の宝”とよく言われますが、応募者に対して平気でサイレントお祈りをできるような配慮に欠けた企業に採用されたとしても、後々サービス残業をさせられたり有休をとらせてくれなかったりすることがあるかもしれません。
トラブル回避
一般的に企業は選考の基準や不採用となった理由を応募者には公表していません。これは、採用されなかった人に対してわざわざマイナス要因を突き付ける必要もないことや、トラブルやクレームを避けることが理由です。
人間誰しも、採用されなかったことに気分を良くすることはありませんが、まれに非常に憤慨してクレーマーに変身してしまう人がいます。実は、クレーマー対応には非常に神経と時間が無駄に消費されてしまいますし、うっかりしたら労働法で訴えられることもあります。
「不採用時は連絡をしない」と、あらかじめ募集時の面接などで伝える企業があるのは、無駄なトラブルを避けるためでもあるのです。
サイレントお祈りをする日本企業の実態がわかるデータがあります。2016年5月に「株式会社アイデム 人と仕事研究所」が行った『新卒採用に関する企業調査』の結果を見てみましょう。
合否の連絡において、合否結果を合格者には通知し、不合格者には通知しないことがあるかを聞いたところ、「ある」が22.4%、「ない」が64.4%となった(図15.3)。
従業員規模別では、規模が大きくなるほど「ある」と回答する割合が増加している。合否に関わらず結果を通知している企業が多いものの、採用人数が多いと予想される大企業においては、不合格者への通知が省略される傾向にあるようだ(図15.4)。
引用元:株式会社アイデム 人と仕事研究所による『新卒採用に関する企業調査』より
サイレントお祈りをする企業は全体の22.4%に昇り、企業規模が大きくなるほど不採用の連絡をしない傾向にあることがわかります。また、採用人数が多い企業もサイレントお祈りをする傾向にある実態が浮き彫りになりました。
このデータは新卒採用に関するものですが、中途採用に関しても同様の傾向にあると想定されます。
気になるなら勇気をもって企業に連絡を
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