内定と内々定の決定的な違いは‘‘法的拘束力‘‘
就職活動や転職活動を行っていると、受けた企業から「内定」や「内々定」をもらうことになるでしょう。あなたは具体的にこれらの違いが分かりますか?今回は内定と内々定の違いについてお話ししていきます。
まずは内々定についてご説明しましょう。内々定は電話で連絡があったり、メールできたり、その連絡の形はさまざまあるようです。内定は「内定通知書」が届きますので、それにくらべると軽い感じ・・・という印象を受けますね。
内々定はいわゆる口約束のようなもので、労働契約の前段階なので取り消すことが可能です。内々定が出ても「もしかすると取り消されるのでは?」と感じて、きちんと内定が出るまで不安な気持ちを抱えたまま過ごす方もいるかもしれませんね。
大企業では夏休みに入る前に内々定を出して、秋になるころ(10月以降)に内定を通知するというところが多くなっています。これは経団連による倫理憲章で、「内定日は卒業する学年の10月1日以降とすること」となっているためで、正式な内定を出せる日が定められているからです。
内々定をもらうメリットとしては、就職活動をする人にとって「企業を辞退しやすい」ということが挙げられます。内定をもらってからですと辞退を申し出ることは難しいですが、内々定には法的拘束力がないため辞退しやすいのです。
複数の企業を受けていて内々定を多くもらっている場合、内定をもらうまでの間に「どの企業で働きたいか」をよく考えることができますね。あせらずに自分の将来を良く考えて1社に絞りましょう。
一方で内定は企業と労働契約を結んだ状態を意味します。この労働契約は「始期付解約権留保付労働契約」と呼ばれるもので、法的拘束力が発生する契約です。企業からの内定通知を受けて、内定承諾書返信することで、この契約が交わされたことになります。
しかし、内定通知書等に記載された取消事由が発生した場合にのみ、企業側は内定を取り消すことが可能になりますので内定をもらったからといって気を抜いてはいけません。
内々定が取り消される条件とは
内々定は「後に内定を出す」という口約束のようなもので、いつでも取り消すことが可能であることは先ほどもお話ししましたね。しかし、企業がそう簡単に内々定を取り消すようなことはあるのでしょうか?
結論からお話ししますと、簡単に内々定が取り消されることはまずありません。内々定が取り消される条件とは、内定が取り消される条件と同じであるということを覚えておきましょう。
内定や内々定が取り消される条件には、「学校を卒業できない」「職歴や経歴を詐称していた」「素行不良」「妊娠が分かった」などが挙げられます。内々定が出たからといってハメを外しすぎるのは慎んでください。
不当行為に該当する場合も…
内々定には法的拘束力はありませんので、内々定が取り消されたとしても基本的に損害賠償が発生することはありません。
しかし内々定の取り消しがあまりにも一方的であれば、損害賠償が認められるケースもあるようです。民法で内々定の不当取り消しは「予約契約の不当破棄」という民法上の不法行為にあたります。
自分に全く非が無く、企業側の勝手な理由により内々定が取り消されてしまったら、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか?
内々定は信用できない?
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