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転職と住宅ローン
1950年頃から1990年頃までは、同じ会社で働き続けるのが一般的な価値観でしたが、もはや終身雇用が美徳とされる時代も終わりを遂げ、2000年頃からは転職すること自体へのネガティブイメージはなくなりました。
転職により収入が増えることや、やりがいのある仕事ができるのはメリットですが、住宅ローンを組む際には、社会的信用や審査に通るのかが気になりますね。
転職によって給与が上がったのにも関わらず、住宅ローンの審査が通らなかったり、借入額が減額されたりするケースもあるようです。
実際のところ、転職は住宅ローンを組む際のデメリットになるのか、金融機関が審査でチェックする点やどんなタイミングで転職するのが有利なのかをお伝えします。
住宅ローンの審査は何を見るの?
民間金融機関では、住宅ローンの審査要件のひとつに、勤続年数が3年以上が条件と謳っていることが多いですが、これは社会的信用度を計るための要件のひとつです。
やはり、同じ会社に3年程度と短い期間すら勤められないという場合は、収入面の安定が計れていない状況だ、と判断されても仕方ありません。
金融機関は何千万円ものお金を住宅ローンという形を通して貸すので、返済能力や無理がないかを見定める必要があり、勤続年数以外にも住宅ローンの審査要件は多数あります。
- 勤続年数
- 年収
- 他社からの借入状況
- 勤務先
- 完済時年齢と借入時年齢
- 返済負担率
- 担保評価(※1)
- 健康状態
こういった審査基準の要件は、借り手が滞りなく最後までローンを返済できるかどうか、返済が滞った際に抑えられる担保額はいくらかなどを把握するために定められています。
(※1)担保評価は、購入予定の土地・建物が決定してから行われます。万が一、住宅ローンが返済できなくなった際に土地・建物がいくらで売れるかを評価するものです。
勤続年数が短いのにローンが組めた!?
勤続年数が3年以上が条件と謳う民間金融機関が多いとはいえ、転職により短い勤続年数であったとしても住宅ローンの審査に通るケースもあります。どんな転職状況であればローンが組めることが多いのか見てみましょう。
- 同じ会社が展開するグループ会社への転職
- 技術職や士業、資格などを活かしたレベルアップのための転職
- 同じ職種に転職し一貫性がある
- 転職先が安定企業である
- 同じ業界内の転職で年収がアップしている
このように、スキルを活かした転職や同じ職種への転職である場合、たとえ勤続年数が1年未満であったとしても、一貫性がある転職なので返済能力は安定している、と判断してもらえることが多いようです。
また、異業種であっても明らかに大企業で年収の安定やアップが予想される場合も、ローンが組める可能性が高いと言えるでしょう。
転職の内容や転職先の企業状況に問題がなければ、勤務期間が短くても審査に通りやすいのです。
逆に、同じ転職でも異業種を渡り歩くような転職スタイルや、無職の期間が長期に渡り所々ある場合は、返済能力に対して低い評価が与えられ住宅ローンが組めないことがあります。
しかし、近年は転職が当たり前の時代になったこともあり、金融機関によっては勤続年数を問わない場合もあるので、まずは相談してみると良いでしょう。
転職前と転職後、どっちにローンを組めばいいの?
住宅ローンを組むにあたり、転職前と転職後のどちらが有利かと悩む人もいるかと思いますが、やはり、転職前の方が有利と言えます。
なぜなら、金融機関にしてみれば、転職後の収入面が上がったとしても継続性があるかまでは見通せないため、やはり転職前のほうが安定した返済が可能である、と判断されやすいからです。
実際、新しい職場では思いもかけないハプニングが起きることもあります。思っていたような仕事を任せてもらえなかったり、上司や同僚との人間関係が上手くいかなかったりしてその職場を辞めざるを得ないことも。
そういったリスクに備えるためにも一定の貯金は必要ですので、住宅ローンを考えているなら転職に関しては長期的な視点で計画することが大切です。
ただし、住宅ローンを組んだ後、すぐに転職するのは信用を落としかねないので注意が必要です。転職した場合は、今後の長い付き合いや信用を維持する意味でも、早めに金融機関に相談することをおすすめします。
転職も住宅ローンも計画が大切
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