結婚しても仕事は続けたい?
かつては、女性は結婚を機に退職するのが当たり前の時代でした。近年は女性が働きやすい職場環境が整ってきたこともあり、結婚しても一生働きたい女性が増えています。
時代と共に変化してきた「女性と仕事」について詳しく見ていきましょう。
専業主婦は減りつつある?
女性を取り巻く環境は時代の流れと共に大きく変化し、専業主婦は減りつつあります。
内閣府・男女共同参画白書 平成26年版の【共働き等世帯数の推移】のデータを見てみましょう。
赤いラインは「男性が働き手で妻が専業主婦の世帯」を、青いラインは「夫婦共働きの世帯」を意味しています。
引用元:内閣府・男女共同参画白書 平成26年版の【共働き等世帯数の推移】より
昭和55年(1980年)以降、共働きの世帯数は右肩上がりで増え続け、平成4年(1992年)には、専業主婦の世帯数を追い抜き始めました。
昭和55年当時の全世帯数の割合で見てみると、専業主婦の世帯数は64%、共働き世帯は36%です。まだまだ専業主婦が多かったことがわかります。
平成9年(1997年)以降、共働き世帯が徐々に増え始め、平成25年(2013年)には共働き世帯が59%、専業主婦の世帯が41%と完全に逆転しました。。
過去33年間のデータから、専業主婦は時代の変化と共に64%から41%にまで減少したことがわかります。
こういった背景には、昭和48年(1973年)から平成3年(1991年)まで続いた”経済の安定期”が終わったことが関係しています。
その後、日本の経済は”低成長期、ゼロ成長期”と呼ばれるほど低迷し、リストラされる人も多くなり、終身雇用制度は崩壊します。
毎年上がっていた賃金の上昇率も低くなったことで、家庭の収入は大きく増えることはなくなりました。
夫の収入が安定している時代は、妻は専業主婦として家庭を切り盛りし、育児や地域活動に専念するという役割でした。しかし、夫の賃金だけでは生活そのものがやっていけない現実に、それまで専業主婦だった妻も仕事をせざるを得なくなったという状況もあったのです。
内閣府男女共同参画局による調査で、「夫の年収が多くなるほど妻の就業率は低下する」ことがわかり、この10年変化していないということです。
これは、専業主婦になるか仕事に就くのかは、夫の所得水準によって分かれることを意味しています。
他には、女性の立場や権利などが見直されるようになり、女性もバリバリ仕事をするのがカッコいい、という社会の風潮も後押ししました。
女性の社会進出と同時に離婚率も増えたので、夫のお金だけに頼らず一人になっても生きていける経済力を持ちたい、というシビアな考え方も理由の1つと言えるでしょう。
世帯年収の高さが幸福度を上げる?
世帯の年収が高いほど幸福度が増すと言われています。幸せはお金では買えませんが、家族が満足に生活できるだけの年収は必要です。
幸福度が高い男女の特徴のデータを見てみましょう。
引用元:「日本版General Social Survey(JGSS)」の2010年調査を基に、内閣府男女共同参画局が集計
「あなたは、現在幸せですか」という問いに対して、幸せであると回答した人は、世帯収入が高い人ほど増えています。ユニークなことに、年収が450万円~600万円未満の世帯の場合、特に男性に関しては、幸せだと回答する人が減っています。
ちょうどこの辺りの年収は、金持ちでもなければ貧乏でもない、もっと稼げれば良い暮らしが手に入るのに、という期待感や欲が出やすい年収なのでしょう。それが低いパーセンテージに反映されたのかもしれません。
データ全体を眺めてみると、600万円以上の年収になって初めて50%以上の人が幸せだ、と回答しています。しかし、これもまた女性のみであって男性は30%にも届いていません。
ちなみに男性の平均年収ですが、20代は321万円、30代は474万円です。共働きでないと多くの人が幸福を感じるほどの年収には達しないのです。
データからわかるとおり、女性が働きに出て収入を増やさない限り、到底幸福だとは感じられないのが現実です。
女性がパートとして働きに出た場合、”130万円の壁”などがあるので、なかなかがっつり稼ぐことはできません。
やはり、福利厚生やボーナスのある正社員として働いたほうが安定しているし、なんといっても稼げる!と考える女性が増えています。
女性の社会進出こそ幸福度アップの必須条件?
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